2010年03月31日
地域住民参加型デジタルアーカイブの推進フォーラム
昨日(3月30日)横浜で、
「地域住民参加型デジタルアーカイブの推進に関するフォーラム」
が開かれました。
なにかのヒントがあるかもしれない、ということで参加してきました。
以下、簡単に報告します。
先着100人に制限されていたフォーラムでしたが、100人以上いたような気がします。
主催者側の人数が含まれているのでそんなものかもしれないですが。
会場では、ustreamによる中継と、twitterを使ってのリアルタイムでの発言が飛び交っていました。
パネルディスカッションのときは、パネラー全員がPCでプレゼンを流すだけでなく、関連するHPやtwitterを1つのプロジェクターで切り替えながら表示していました。
その操作もスムースで、必要に応じてズームイン・アウトも行われ、かなり手慣れた操作が行われていました。
Twitterでは、記録担当の人(?)が外部から読んでいる人のために、パネラーの発言を要約して書いているだけでなく、パネラー自身も「つぶやいて」いて、それを随時会場でも読めるようにしています。
面白いやり方だなあ、と思いました。
本題です。
1.基調講演「将来のデジタルアーカイブの在り方について」
慶応大学 清木 康
実験中のアーカイブ技術についての報告。
(1) アーカイブのメタ情報として、意味(感性)で検索できるような
アーカイブを構築する実験。
・色彩心理学の仮説に基づいて、静止画や動画から色彩印象を
自動的にメタデータとして抽出し、その情報を検索に使う実験。
・音楽心理学の仮説に基づいて、音楽の時系列的な特徴や
コード進行を自動的に解析し、その印象を色彩と関連付けて
メタデータとして保存し、検索抽出に役立てる実験。
(2) 動画教材を実空間上に配置し、GPSでセンスしたユーザ(被教育者)
がその場所に来ると、その場所に最も適した動画教材が
iPod/iPhoneなどに配信されて、場面に応じた外国語教育を行う
システムの実験
(3) 4D世界地図の実験
時間軸と空間軸の交点座標にアーカイブデータを配置することで
共時的にデータを分析or抽出すできるようにする、あるいは
通時的にデータを分析抽出できるようにする実験
共時的:その時別な場所ではどんなことがあったか
通時的:その場所で別な時代にはなにがあったのか
その他、上記も含めた国際的な協力による実験環境構築の報告
2.地域住民参加型デジタルアーカイブの推進に関する調査検討会
の報告(概要)
総務省の予算を使っているわけで、それなりの報告がなされました。
http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/
に近日中に掲載されるそうです。
3.パネル・ディスカッション
コーディネータ
岡本 真
アカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役
パネリスト
折田 明子
中央大学大学院 助教
野田 臣吾
フォートラベル株式会社 代表取締役
杉浦 裕樹
NPO法人 横浜コミュニティデザイン・ラボ 常務理事
丸山 高弘
NPO法人 地域資料デジタル化研究会(山梨県笛吹市)
副理事長
※ コーディネータの提案で
「『持続的に』デジタル・アーカイブ事業を行うには」
というテーマで討論。
背景には地域住民参加型デジタル・アーカイブは
事業の継続が難しいという事情がある
※ 具体的な事例として下記がパネリストの自己紹介
などで触れられました。
(1) 「横浜アルバム」
フォートラベル社と横浜コミュニティデザイン・ラボ
(2) 「甲斐之庫」(かいのくら)
地域資料デジタル化研究会
※ 内容的には「持続的に」にこだわらず幅広い意見が出ました。
いくつか特徴的な意見を記します。
〇 IDorアイデンティティとデジタルアーカイブの関係について
・ハンドル名を使うか本名で書くか 本名で書く人 使い分ける人
・時間や空間を串刺しにして検索すると、どういう個人かは、
ほとんど見えてしまう。
・ネット社会の中の個人は、否応なしにアーカイブの中に
自己を晒している。
さらに分析によって、さまざまな見方で見られる可能性がある。
〇 デジタル・アーカイブ構築のために地域のグループや人と
出会うことの重要性と楽しさ
・デジタル化の前にすでに多くの人が知識や技術やものを
保存するために活動している
・そういう活動をリストアップし見えるようにしていくことも重要
・実世界でそういう人と顔と顔をつきあわせて触れ合うことで
発見する楽しさがある
〇 「持続的に」アーカイブ事業を行うには
・インセンティブ(あるいはモチベーション)を持続することが必要
・ポイントや対価によらず、参加したら楽しいことがとても重要
(パネリスト全員が一致)
〇 技術的にはクリエイティブ・コモンズの活用や
地域間のマッシュアップが重要
おおよそ、以上です。
ヒントは「参加して楽しいこと」でした。
それは我らが「一歩塾」や「動画塾」で経験済みですね。
--------------------------
多摩CBネットワーク:西東京・まちづくり研究会の原田さん
も同席しておられたようで
パネリストの見解を整理した記事を書かれています。
http://ameblo.jp/missingmass/entry-10495850205.html
下記は原田さんのメールから頂いた情報です。
twitterのタグとustreamのURL
・twitterのハッシュタグ: #localda
http://buzztter.com/ja/k/%23localda
でも見ることができます。
・ustreamのURL: http://ustre.am/8OlO
当日配布された調査検討会の報告(概要)
(PDF: 1672KB)
「地域住民参加型デジタルアーカイブの推進に関するフォーラム」
が開かれました。
なにかのヒントがあるかもしれない、ということで参加してきました。
以下、簡単に報告します。
先着100人に制限されていたフォーラムでしたが、100人以上いたような気がします。
主催者側の人数が含まれているのでそんなものかもしれないですが。
会場では、ustreamによる中継と、twitterを使ってのリアルタイムでの発言が飛び交っていました。
パネルディスカッションのときは、パネラー全員がPCでプレゼンを流すだけでなく、関連するHPやtwitterを1つのプロジェクターで切り替えながら表示していました。
その操作もスムースで、必要に応じてズームイン・アウトも行われ、かなり手慣れた操作が行われていました。
Twitterでは、記録担当の人(?)が外部から読んでいる人のために、パネラーの発言を要約して書いているだけでなく、パネラー自身も「つぶやいて」いて、それを随時会場でも読めるようにしています。
面白いやり方だなあ、と思いました。
本題です。
1.基調講演「将来のデジタルアーカイブの在り方について」
慶応大学 清木 康
実験中のアーカイブ技術についての報告。
(1) アーカイブのメタ情報として、意味(感性)で検索できるような
アーカイブを構築する実験。
・色彩心理学の仮説に基づいて、静止画や動画から色彩印象を
自動的にメタデータとして抽出し、その情報を検索に使う実験。
・音楽心理学の仮説に基づいて、音楽の時系列的な特徴や
コード進行を自動的に解析し、その印象を色彩と関連付けて
メタデータとして保存し、検索抽出に役立てる実験。
(2) 動画教材を実空間上に配置し、GPSでセンスしたユーザ(被教育者)
がその場所に来ると、その場所に最も適した動画教材が
iPod/iPhoneなどに配信されて、場面に応じた外国語教育を行う
システムの実験
(3) 4D世界地図の実験
時間軸と空間軸の交点座標にアーカイブデータを配置することで
共時的にデータを分析or抽出すできるようにする、あるいは
通時的にデータを分析抽出できるようにする実験
共時的:その時別な場所ではどんなことがあったか
通時的:その場所で別な時代にはなにがあったのか
その他、上記も含めた国際的な協力による実験環境構築の報告
2.地域住民参加型デジタルアーカイブの推進に関する調査検討会
の報告(概要)
総務省の予算を使っているわけで、それなりの報告がなされました。
http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/
に近日中に掲載されるそうです。
3.パネル・ディスカッション
コーディネータ
岡本 真
アカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役
パネリスト
折田 明子
中央大学大学院 助教
野田 臣吾
フォートラベル株式会社 代表取締役
杉浦 裕樹
NPO法人 横浜コミュニティデザイン・ラボ 常務理事
丸山 高弘
NPO法人 地域資料デジタル化研究会(山梨県笛吹市)
副理事長
※ コーディネータの提案で
「『持続的に』デジタル・アーカイブ事業を行うには」
というテーマで討論。
背景には地域住民参加型デジタル・アーカイブは
事業の継続が難しいという事情がある
※ 具体的な事例として下記がパネリストの自己紹介
などで触れられました。
(1) 「横浜アルバム」
フォートラベル社と横浜コミュニティデザイン・ラボ
(2) 「甲斐之庫」(かいのくら)
地域資料デジタル化研究会
※ 内容的には「持続的に」にこだわらず幅広い意見が出ました。
いくつか特徴的な意見を記します。
〇 IDorアイデンティティとデジタルアーカイブの関係について
・ハンドル名を使うか本名で書くか 本名で書く人 使い分ける人
・時間や空間を串刺しにして検索すると、どういう個人かは、
ほとんど見えてしまう。
・ネット社会の中の個人は、否応なしにアーカイブの中に
自己を晒している。
さらに分析によって、さまざまな見方で見られる可能性がある。
〇 デジタル・アーカイブ構築のために地域のグループや人と
出会うことの重要性と楽しさ
・デジタル化の前にすでに多くの人が知識や技術やものを
保存するために活動している
・そういう活動をリストアップし見えるようにしていくことも重要
・実世界でそういう人と顔と顔をつきあわせて触れ合うことで
発見する楽しさがある
〇 「持続的に」アーカイブ事業を行うには
・インセンティブ(あるいはモチベーション)を持続することが必要
・ポイントや対価によらず、参加したら楽しいことがとても重要
(パネリスト全員が一致)
〇 技術的にはクリエイティブ・コモンズの活用や
地域間のマッシュアップが重要
おおよそ、以上です。
ヒントは「参加して楽しいこと」でした。
それは我らが「一歩塾」や「動画塾」で経験済みですね。
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多摩CBネットワーク:西東京・まちづくり研究会の原田さん
も同席しておられたようで
パネリストの見解を整理した記事を書かれています。
http://ameblo.jp/missingmass/entry-10495850205.html
下記は原田さんのメールから頂いた情報です。
twitterのタグとustreamのURL
・twitterのハッシュタグ: #localda
http://buzztter.com/ja/k/%23localda
でも見ることができます。
・ustreamのURL: http://ustre.am/8OlO
当日配布された調査検討会の報告(概要)
(PDF: 1672KB)